英会話の文法は非完璧主義からはじめる
「Can you speak English?」と
「Do you speak English?」はどっちが正しいの?
「Go」と「Come」の細かなニュアンスの違いはなに?
過去形と現在完了形は会話の時に使い分けたほうがいいの?
これらの質問の答えは文法書にのっているのですが、
結論からお伝えすると、英語を話すときは「どちらでもいい」です。
思いうかべてほしいのですが、私たち日本人が日本語を話すとき
文法はいつも完ぺきでしょうか?
たまには間違えることもありますよね。
人によって話し方が変わることもあれば、
地方によって言葉の使い方が違うこともあります。
では、外国人と日本語で話すとき、相手の文法が完璧でないと
意味が全く理解できないでしょうか?
答えはNoです。
文脈やニュアンスから伝えようとしていることを読み取ることができます。
でもなぜか、私たち日本人は英語を話すときに限って
無意識的に「正しい文法で話さなければならない」という
誤った考え方に縛られ上手く言葉を発せなくなることが多々あります。
「間違った文法で英語を話すのは恥ずかしい」と感じる人もいるのではないでしょうか。
勿論、英語のテストでよいスコアを取るために正しい文法を理解することは大切ですが、
英会話において「正しい文法で話さないと伝わらない」という考えは
かえって邪魔になることがあります。
ましてや、カナダの高校に入学したてで英語力がままならない留学生が
文法上の小さな違いまで気にしていると、
いちいち脳がストップして話すことができません。
過去に英語を習ったことのある・留学経験のある親御様の中には、
考えすぎてうまく話せなかった・気付いたら会話が進んでしまったという
経験をされた方もいるのではないかと思います。
ではどうすればいいか?
解決法はいたってシンプルです。
間違ってもいいのでどんどん話してください。
これはどうしようもない事実ですが、
英会話はたくさん話してたくさん間違った人のほうが早く伸びます。
動きながら学んでいくイメージですね。
ただ、性格上、正しい文法や表現を考えすぎて
うまく話せないタイプの子供もいます。
そんな場合は頭の中をこんな風に変換してあげてください。
「英会話=間違ったもの勝ち」
カナダの高校に入学して英語を話す機会が増えてくると
「言いたいことが上手く言えなかった!」という悔しい場面も増えていきます。
そんな時こそ、上手に伝えられなかった状況を思い出して
以下のように考える習慣をつけてみてください。
「どんな言葉を使えば伝わったのだろう?」
すると脳はその答えを探そうとするので
子供は自分が伝えたかった言葉をスマホやノートパソコンで調べはじめます。
そして次の機会に備えるのです。
たくさん間違えるということは、たくさん学ぶチャンスをもらう、ということです。
折角、カナダで高校留学という貴重な時間を過ごしているのに
小さな間違いを気にしすぎて英語を話さないのは、
成長するチャンスを自ら放棄しているようなものなので
どんどん間違えてください。そしてたくさん学んでください。
気が付くと普通に英語を話せるようになっています。
そして、冒頭に書いたような細かな文法上のニュアンスも
少しずつ理解できるようになってきます。
話は変わりますが、以下は私がカナダの語学学校で働いていた時に
日本人の留学生から時々耳にしたボヤキです。
「日本の主語と述語は英語と逆なので日本人には不利」
「だから他の国の生徒は自分たちより早く英語を話せる」
たしかに日本語は主語のあとに目的語が来るのに対し、
英語は主語のあとに述語がくるので、
この違いに慣れるまである程度の時間は要します。
ただ、当時の私の仕事柄、世界中からの留学生とも話す機会があったので分かりますが、
流暢に話せているように見える彼らの英語も文法上の間違いはたくさんありました。
過去形を現在形で話していたり、単数形と複数形を間違っていたり、などなど。
正しい文法という意味では会話量の少ない日本人留学生のほうが上だったと思います。
ただ彼らは何のためにカナダに留学をしに来ているか、
そのために何をしなければならないかをよく理解していました。
だからつたない英語力でも積極的に話します。
話すという実践練習を通じてたくさん間違うのでたくさん学びます。
結果、英語を早く習得していきます。
最初から細かな文法の違いを気にするのは、
英語力の高くない自分に余計な負荷をかけているのと同じことです。
英会話が上達するまでに間違えない人は絶対にいないので、
間違えることを自分自身に許してあげると上手くいきやすくなります。